あなたや身内の者などが警察に逮捕されてしまった場合、
どのように弁護士を選らべばよいのかわからないというのが通常だと思います。
そこで、弁護士選びの注意点を書きたいと思います。
「とりあえず接見にいってもらう」
身内や友人など親しい者が逮捕された場合、具体的な事情は、逮捕された本人に直接詳しく聞いてみないと状況はわからないのが通常です(この点、事情がわかっているとおもっていても、実際に本人に聞いてみると全く状況が異なることも多い)。
そこで、私選弁護人として依頼する前に、必ず一度の接見だけを依頼してみることをお勧めします。
というのも、接見もしていない場合、その弁護士が提示した弁護士費用が適切妥当なものであるのか判断することが全くできないからです。
また、弁護士側としても、接見してからでないと弁護士費用を決めることができないのが通常であると思いますので、接見もせずに弁護士費用を決定するような弁護士は、怪しいと思ったほうがよいと思います。
(この点に関しては、「経験からわかります。」とかいい加減なことを言われて説得されてしまうこともあり得ますので注意してください。)
また、上記のことから「受任しないと接見はできない」などと接見のみの依頼を断り、依頼を急がせるような弁護士に依頼するのはやめることをお勧めします。
なお、1回の接見費用は、「3万円前後」が相場だと思いますので、その接見費用がそもそも高い場合であれば、弁護士費用も高額な場合が多いものと思われます。
「セカンドオピニオンを得る」
上記のように、接見に行ってもらい、事情を理解した上で、弁護士から弁護士費用を提示してもらいます。
そこで直ちに、依頼をするのは極力控えてもらうことをお勧めします。
特に、その弁護士費用として総額100万円以上(着手金・報酬合計)を提示された場合には、
その弁護士費用は高すぎる可能性が高いので注意が必要です。
刑事事件を他に依頼した経験がない人であれば、その弁護士費用が高額なのかどうか全く見当がつかないと思います。
そこで、地域の弁護士会などに電話し、すぐに刑事事件に関して相談できる弁護士を紹介してもらい、その弁護士費用に関して、妥当なのかどうか意見を聞いてみましょう。
それで、問題がないのであれば、正式に依頼するというスタンスがお勧めです。
もっとも、刑事事件はスピードが命なのは否定できません。
セカンドオピニオンなどを聞く時間などないという事情も十分に理解できます。
しかし、弁護士によっては、その程度の話であれば電話で対応してくれる弁護士も大勢いるものと思いますので、あきらめずに、一応ほかの弁護士に電話などで相談してみましょう。
なお、私もその程度の話であれば、事務所に電話していただければ、対応できるものと思います。
「現時点で私選弁護人を選任するメリットがあるのか説明してもらう」
正直、高いお金を支払って、私選弁護人を選任しても全く意味がないと考えられる事案も多く存在します。
お金を払う以上、今ここで私選弁護人を選任することの実益をしっかりと説明してもらうようにしてください。
そして、国選弁護人が今後選任される場合との結論の差についてもじっくりと説明してもらってください。
というのも、事件の内容からして、いくら弁護人が頑張ったところで、起訴されること(刑事裁判になること)も間違いがないという事件であり、しかも、執行猶予付き判決が下されることも間違いがないという事案もあります(たとえば、前科なしの覚せい剤使用事案など)。
このような事件で、高額のお金を支払って私選弁護人を選任する実益などは、極めて少ないと考えられます。
むしろ、このような場合には、弁護士費用で無駄にお金を消費するよりも、生活の立て直しのためなどにお金を使ったほうがよいことは明らかです。
そのあたりの判断をするためにも、私選弁護人を選任することのメリットと、国選弁護人が選任された場合との間での結論の差などについて、しっかりと説明をしてもらってください。
「インターネットの情報を鵜呑みにしない」
弁護士選びの方法として最も簡便なのは、やはりインターネットだと思われます。
しかし、インターネットの情報は、必ずしも正確なものではありません。
我々弁護士業界では、
「宣伝のうまい弁護士は、必ずしも優秀な弁護士ではない。」
と言われています。
(注意:もちろん宣伝もうまく優秀な弁護士もいます。)
私のお勧めとしては、地域の弁護士会に電話し、弁護士を紹介してもらうというのが一番安全なのではないかと思います。
お問い合わせは、
プロスペクト法律事務所
弁護士 坂口 靖 まで
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